健康番組や雑誌などで耳にする機会の多い「生活習慣病」という言葉は、皆さんご存じだと思います。
しかし、どのような生活習慣によって病が引き起こされるのかは、あまり詳しく知らないのではないでしょうか。
長年積もり積もった悪しき生活習慣は、私たちを確実に蝕んでいき、最悪死をもたらします。
今回は、生活習慣病を引き起こす悪い生活習慣と、予防法についてご紹介いたします。

スポンサーリンク


生活習慣病を引き起こす悪い生活習慣とは

2010年に厚生労働省が発表した「2010年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、生活習慣病を持つ人の割合は40代以降に、男女共に増加していると発表しています。
特に目立つのが、60歳代の男性の5人に1人以上が生活習慣病による糖尿病を患い、高血圧は男女共に60代の6割が該当したと報告しています。
平成22年度国民健康・栄養調査結果の概要/厚生労働省

このように、生活習慣病は積み重なった悪しき生活習慣によって、年齢を重ねるごとに様々な病を発症する疾患のことを言います。
では、どのような悪い生活習慣が生活習慣病を引き起こすのでしょうか。

気を付けたい!悪い生活習慣

 食事はほとんど外食か出来合いのお弁当など。自炊はほとんどしない
 慢性的な運動不足である
 喫煙の習慣がある
 お酒が大好きで毎晩晩酌をし、時には飲みすぎる
 常にストレスを感じている 等

生活習慣病によって引き起こされる病

厚生労働省は、生活習慣病によって引き起こされる病の定義を発表しています。

<生活習慣で発症する疾患>
 食生活が原因 … 糖尿病・肥満症・高肥血症・高血圧・大腸がん・歯周病など
 運動不足が原因 … 糖尿病・肥満症・高油血症・高血圧など
 喫煙が原因 … 肺がん・慢性気管支炎・循環器疾患など
 過度な飲酒が原因 … 肝硬変・脂肪感などの肝疾患

生活習慣を予防する方法

生活習慣病によって引き起こされる病は、ほとんど自覚症状がないのが特徴です。
特に、糖尿病や脂質異常症・高血圧などは気が付かないうちに進行し、脳や心臓・血管にダメージを与えることから、「サイレントキラー」と呼ばれています。

会社などの健康診断でこれらを指摘されても、「症状が出てないからまだ大丈夫」と油断していませんか?
これらの症状が無症状でもある場合は、ある日狭心症や心筋梗塞・脳卒中などに突然襲われてしまうことも十分あり得るのです。

心筋梗塞などが起こってからではもう手遅れなので、高血圧などと診断されたら、たとえ症状が無くても生活習慣を見直すことが重要となります。
それでは、生活習慣病を予防する方法をご紹介いたします!

バランスのとれた食事を摂取する

食事は外食や出来合いのお弁当などで済ませてしまう人も多いのではないでしょうか。
これらの食事は、栄養バランスが悪いだけでなく、万人に美味しいと思ってもらえるように濃い味付けになっているため、塩分を必要以上に摂取してしまいます。

また、冷めた状態で食べても美味しいように、過剰に油や添加物などを使用しているため、無駄にカロリーを摂取してしまうことにも繋がります。

肉だけ、野菜だけの食事ではなく、肉や魚・野菜・果物・主食となる米類などもバランス良く食べるように心がけましょう。
どうしても出来合いの食事になる場合は、高カロリーのものを避けるなど工夫が必要です。

≪30~49歳までの適切な摂取エネルギー≫

 男性 … 2,650kcal
 女性 … 2,000kcal

タバコと飲酒は本当に必要か考えなおす

仕事の合間のタバコ休憩や、仕事終わりの一杯は本当に美味しいですよね。
それらを楽しみに毎日頑張っているという人も多いでしょうが、本当に自分にとってタバコやお酒が必要なのか改めて考えてみましょう。

タバコは依存性が高く、タバコを吸わない人にも副流炎によって害を及ぼすというのはご存じですよね。
タバコを長時間吸えないとイライラするのに、現代ではタバコを吸う場所も僅かとなってきました。
これからタバコにかけられる税金がどんどん値上がりする見通しで、月々のタバコ代を1年間貯蓄するだけで、家族でちょっとした旅行に行けるかもしれません。
糖尿病や高血圧・脂質異常症・慢性気管支炎・肺がんだと診断されたら、タバコをやめることも検討してはいかがでしょうか。

また、過度のアルコールの摂取も本当に自分に必要か考えてみましょう。
厚生労働省が定める「節度ある適切な飲酒」は、ビールなら中瓶1本、アルコール度数35度の焼酎なら1合(180ml)、ワインなら1杯(120ml)が推奨されています。
これ以上の飲酒を連日続けることで、肝臓に負担がかかってしまうため危険です。
肝臓の数値が悪いと診断された場合は、アルコールの摂取量を減らすようにしましょう。

日常に運動をプラスする

運動不足は、糖尿病や高血圧・肥満などの生活習慣と深いか関わりがあると言われています。
運動不足になることで、インスリンの働きが抑制され、血糖値や血圧の上昇を招き、中性脂肪の代謝が悪くなってしまうことが原因です。

そのため、毎日の通勤の際にバスを利用せず駅まで歩いたり、電動ではない自転車を利用する。
駅のエレベーターやエスカレーターは使用せず、階段を使用するなどして、日常生活に運動をプラスしてみましょう。

睡眠不足とストレスを解消する

仕事で帰りが遅くなると、どうしても睡眠不足に陥りやすくなりますよね。
慢性的な睡眠不足は、糖尿病や冠動脈疾患などの原因になることが分かっています。
寝るギリギリまでテレビやスマートフォンを見ると、脳が覚醒してしまうので避けるようにします。
寝る時は、部屋の明かりを間接照明に切り替えるようにし、脳が休める環境を作るようにしましょう。
また、寝不足を感じた時は15~20分程度の昼寝を行うことで、寝不足をカバーすることができます。

また、慢性的なストレスは、血糖値が上がりやすくなり脂肪が蓄積されやすくなります。
過度なストレス状態が続くことで、高血圧や糖尿病・がんを引き起こす恐れがあります。
心身のストレスを感じたら無理せず休むようにし、悩みを信用できる人に相談することも重要です。

まとめ

生活習慣病は、積もり積もった悪い生活習慣によって引き起こされる病のことを言います。
無症状であっても、ある日突然心筋梗塞などで倒れてしまうことがあるので、生活習慣病を指摘されたら、今すぐに改善するよう努力するようにしましょう。
今回ご紹介した改善方法は、日常に取り入れやすい方法が多いので、健康診断で生活習慣病の疑いがあると診断された人は、試してみてくださいね。