近所から真夜中に赤ちゃんや子供の泣き声がしたら、「虐待されているかもしれない」と不安になりますよね。
連日ニュースで報道される児童虐待死の中でも、「子供の泣き声がしょっちゅう聞こえていた」と近所の人が話していることも多く、もしかして…と不安になります。

でも、その子供や赤ちゃんの泣き声は虐待によるものではなく、成長過程でどうしても起こる現象の一つである可能性があります。

今回は、赤ちゃんや小さな子供が夜に泣く理由と、児童相談所に相談したほうが良いケースをご紹介いたします。

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赤ちゃんが夜に泣く理由

近所から夜中に赤ちゃんや子供の泣き声がしたら、「もしかして虐待かもしれない」と不安になります。
しかし、赤ちゃんや小さな子供は夜に泣いてしまうことがあり、虐待されて泣いているとは言い切れません。
では、どうして夜中に赤ちゃんや小さな子供は泣いているのでしょうか。

新生児期は昼夜逆転している

「最近ご近所さんに赤ちゃんが産まれたみたいだけど、毎日夜中に泣き声が聞こえる」…、このような経験のある人も多いのではないでしょうか。
慣れない育児で育児ノイローゼになる人は多いですが、産まれたばかりの赤ちゃん(新生児)は昼夜逆転しているため、夜中から朝方にかけて頻繁に泣くことが多くあります。

新生児期の赤ちゃんは、まだ夜と朝の区別が付いていません。
大人のように体力もないため、短いサイクルで起きては寝てを繰り返し、頻繁に泣いてしまいます。

新生児期の夜泣きは、生後3カ月頃になると生活リズムができてくるので落ち着きます。

生後6カ月頃から始まる夜泣き

生後5カ月頃になると、赤ちゃんの体内時計が働きだすため、睡眠リズムができてきます。
少しずつ夜にまとめて眠れるようになるため、新生児期にあった夜泣きが落ち着きます。
しかし、生後6カ月以降になると「夜泣き」が始まります。
最近夜中に静かだったのに、頻繁にまた泣くようになった時は夜泣きかもしれません。

夜泣きの原因は諸説ありますが、その中の一説に赤ちゃんは日中に経験したことを寝ている時に脳内で整理していると言われています。
日中のできごとが夢に現れたりすることもあるので、それで夜中に起きてしまうという考えがあります。

断乳・卒乳による夜泣き

1歳前後になると、ミルクや母乳を断つ「断乳」「卒乳」の時期になります。
夜泣きが酷い子や、保育園に入園を控えている子がこの時期に断乳・卒乳することが多いので、ミルク欲しさに夜中に泣いて起きてしまいます。

1歳前後にもなると泣き方もパワフルになるので、虐待を疑われることが多い時期です。
また、親が言い聞かせてもまだ赤ちゃんは理解できない時期なので、疲れ果てて眠るまでずっと泣き続けることが多いです。

夜驚症・睡眠時驚愕症

夜驚症(やきょうしょう)や睡眠時驚愕症は睡眠障害の一つで、3~7歳の子供が発症することが多い病気です。
寝ている時に子供がいきなり泣き叫んだり、パニックを起こすことで、睡眠から目覚めるために脳の機能が発達途中であることが原因とされています。
日中の恐怖体験やストレス・緊張から、脳が深い眠りにあるのに目覚めてしまうため、朝起きた時に子供は何も覚えていないことがほとんどです。

児童相談所に相談したほうが良い場合

赤ちゃんや小さな子供は、夜に泣いて起きてしまうことがあります。
夜中に聞こえてくる赤ちゃんや子供の泣き声が全て夜泣きなら良いのですが、残念ながら虐待であるケースもあります。

例えば、親の叫び声や怒号・物を壊す音などの大きな音と共に子供や赤ちゃんの泣き声がする場合は、虐待の可能性があります。

赤ちゃんや子供に会った時、身体に傷があったり、汚い身なりをしている場合や、極度に痩せている場合など、虐待のサインがあれば児童相談所で相談しましょう。

児童相談所への通報は匿名でできるの?

児童相談所への虐待の通報は、手持ちのスマートフォンなどの電話から「#189」の番号でかけることができます。
電話すると、相談内容と一緒に名前や住所を聞かれることがありますが、「匿名で」と言えばそれ以上は追及されません。

まとめ

夜中に赤ちゃんや子供の泣き声が聞こえた時、「ひょっとして虐待!?」と不安になってしまいますが、赤ちゃんや小さな子供は夜中に泣いて起きることはよくあることです。
夜中に聞こえる泣き声の全てが夜泣きとは限りませんので、状況から「虐待かも」と思ったら、匿名で児童相談所に通報しましょう。