“たとえお気に入りの外壁であったとしても一定の年数が経過した時に外壁塗装を実行しなければならない理由は、最悪の事態に見舞われると大切な住宅が壊れてしまうためです。
そもそも、一言で外壁と言って住宅の外面を覆っているものからエクステリアに至るまで幅が広いのですが、それらに共通しているのは塗料により色が塗られているものの、決して色付けを最も大きな目的にはしていないという事実です。
当然のことながらデザインや美観に応じる様子で塗料の使い分けを行う事例もありますが、元来の目的は色付けする事により外側にある建材が保護させられるためです。
保護する必要性があるのは外壁という言葉からもわかるように、天候による直接的な影響は避けられない事が関係しています。
直射日光を強く浴び続ける日があれば雨水を受け続けたり強風により塵や埃が叩きつけられる事もあり、内壁では決して起こり得ない事柄が日常的に起こります。
そのような時の事を備えてできるだけ負担を軽くさせられるようにするのが外壁塗装を疎かにしてはならない理由である、定期的にケアをする必要性となります。
住宅などに用いる外壁材には既に塗料が使用されていて、使われている種類も豊富なのですが、どれほど高品質な塗料であっても耐用年数が存在しているため、天候などに比較的恵まれている穏やかな環境下で利用していても効果は損なわれます。
保護が行われていない様子が慢性的になってしまえば、外部に露出している外壁材自体がダイレクトに影響を受けてしまうようになり、雨水を受け続ける事によって鉄が劣化したり木の腐食が著しくなります。
鉄の劣化や木の腐食は既に手遅れになっている状態なので、腐食している事に気が付かなかったり見て見ぬふりを続けてしまうと下地の部分が破損してしまい、外壁塗装に限らず雨漏りを対処するための工事も必要になり、言わずもがな工事費用は大幅に高くなってしまいます。
そうした点から使われている塗料の限度に応じて外壁塗装を実行に移す事により、元々の保護機能が呼び戻せる上に他の工事費用が別途必要になってしまうという問題も回避できます。
実際に工事の依頼を業者に持ちかけてみるとわかりますが、外壁を塗装するとは言っても壁のみを施工の対象にするといった事はなく、屋根や基礎部分なども同時にケアしていきます。
ただし、そのような中でもやはり最も長い時間をかけて行っていくのが壁であり、建物の形状にもよりますがベランダなどを支えている鉄柱なども同時に塗っていきます。
一般的には外壁塗装で屋根も対象になるのは少し意外性が感じられる事ですが、業者においては粛々と屋根部分についても話し合いも行われ、打ち合わせの段階で屋根に使われている素材によって異なるアプローチが行われる旨が説明されます。
屋根部分は大きく分けると瓦もしくは金属のに分類され、瓦と金属では塗り方の他に使用する塗料にも違いがあります。
瓦の場合はスレート瓦やセメント瓦といったように塗り替えを行うのが基本的となり、金属系はかつてであればトタン屋根と言われていた事からわかるように、錆びないようにする点に重きを置いて進められます。
屋根に纏わる箇所として忘れてはならないのがいわゆる庇の事であり、外壁の一部分である様子には変わりないものの、比較的雨水と直射日光が直接当たりにくいといった特性を有しています。
特性を考慮して通常であれば使用される機会が少ないベニヤ板や石膏板、金属板といった素材が選ばれて工事が進められていきます。
ベランダがある住宅ではベランダも同時期に工事を進めていきますが、広さや形状は様々であっても手すりが鉄製で床がプラスチックという様子は、どういった住環境でも共通している事です。
そのため、床面に対してはコンパネを敷き詰めていきコンパネの上からFRPの加工を施工していくのですが、ポイントになるのは手すりの鉄と雨水の処理に関してです。
鉄は錆びやすい上にベランダは屋外に露出しているという特徴から、床に水分が溜まりやすい構造になっているので、塗装時には防水塗料が使われるのが一般的です。
このように適材適所で最適な方法を実行すれば外壁材が剥がれ落ちてしまう事を予防できるのは当然ですが色褪せやシミ、カビといった問題の発生も抑えられます。
今日においては塗装に用いられる塗料の性能も高品質化しており、液剤の中に紫外線から受けるダメージを小さくさせられる作用がある品もあります。
対策できるタイプを選択しておけば秋から冬にかけて乾燥しやすい時期が訪れたとしても、ひび割れが生じて隙間から雨水が染み込み壁を腐食させる事が無くなりますし、材木が落下して外部に居る方々が怪我をするといったトラブルも防げます。
外壁塗装と言えば新築のような見た目が取り戻せるので、ついお洒落な様子ばかりを追い求めてしまいたくなりますが、周囲への安全性を考慮するのも大切な事です。”