「昼食は外食が多くて、栄養バランスが気になる」
「子供がご飯をあまり食べない」
「毎日の食事で栄養が足りているのか不安」
…このような悩みを感じている人が多いのではないでしょうか。
実は、主食である白米は栄養価が低くいため、まずは主食を見直すことで栄養価を上げることができます。

今回は、精米と未精米の違いと、スーパーなどで返るおすすめ未精米をご紹介いたします。

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白米の栄養は低い?

私たち日本人の主食である白米は、玄米を精米したお米のことです。
しかし、精米されることで糖や胚芽など高い栄養素を持つ部分もそぎ落とされてしまうので、栄養価が低くなってしまいます。

白米は甘くてクセのない味で人気ですが、精米されることでビタミンやミネラルなど、私たちに必要不可欠な栄養を失ってしまいます。
では、精米されることでどれくらい栄養価が落ちてしまうのか見てみましょう。

白米 玄米
カリウム 29 95
カルシウム 3 7
0.1 0.6
亜鉛 0.6 0.8
ビタミンB1 0.02 0.16
ビタミンB6 0.02 0.21
葉酸 10 3
食物繊維 1.4 0.3

一覧にして見ると、精製されることで栄養価が落ちてしまうことが分かります。
精製されていない玄米は、生成された白米に比べて8倍のビタミンB1と、5倍の食物繊維が含まれています。
栄養不足が気になる人や、健康的な食生活をしたい人は、まずは主食から見直すと効率的に栄養を摂取することができます。

白米の栄養価を上げよう!目的に合わせた方法

白米だけでも栄養は含まれていますが、より栄養を効率的に摂取したい人や、栄養不足が気になる人は、主食を栄養あるものにすることで、栄養をしっかりと摂取することができます。

スーパーなどのお米売り場を見てみると、白米に混ぜて炊くタイプの未精米や雑穀が販売されています。
特別な下処理なども必要なく、手軽に栄養価を上げることができるのでおすすめです。
これら手軽な未精米や雑穀には玄米やもち麦など種類が多く、どれを選んだら良いのかわかりませんよね。
では、スーパーなどで手に入る未精米と雑穀の栄養と効果を一緒に見て行きましょう。

食物繊維を豊富に含む「もち麦」

最近テレビなどで「ダイエット効果がある」としてもち麦が話題となっています。
もち麦は大麦の一種で、「大麦β-グルカン」という食物繊維を豊富に含んでいます。
この大麦β-グルカンは水溶性食物繊維で、糖の吸収を抑える働きなどがあります。
この効果は朝食べれば昼食時にも効果があるので、ぜひ朝食に取り入れてみましょう。

5種類の雑穀を摂取できる「五穀米」

五穀米は、5種類程度の雑穀が混ざったお米のことで、メーカーによって異なりますが、多くの場合は黒米・麦・押し麦・キビ・粟などがミックスされています。
それぞれが持つ栄養素をバランスよく摂取できるので、特定の栄養素ではなく多くの栄養をバランスよく摂取したい人におすすめです。

≪五穀米に含まれる雑穀の効果≫

 黒米 … 体温を上げる効果が期待できる
 麦 … 食物繊維を豊富に含むため、便秘解消や血糖値を下げる効果が期待できる
 押し麦 … 腸内環境を整える効果が期待できる
 キビ … 代謝を活発にし、肌のターンオーバーを促す効果が期待できる
 粟 … 鉄分・マグネシウム・カルシウムなどのミネラルを多く含む

玄米と白米の中間「胚芽米」

精製されたお米の甘さや食べやすさを残しつつ、未精製米の栄養素が欲しい人は胚芽米がおすすめです。
胚芽米は、玄米の栄養素を極力残しながら白米の美味しさを追求したお米で、「胚芽米一粒ずつの米の頭に、総合ビタミン剤のカプセルが付いている」と言われるほど豊富な栄養を含んでいます。

玄米など未精米は消化されにくいですが、胚芽米は白米のように比較的消化しやすいため、小さな子供や胃腸が弱い人におすすめです。

玄米をすすめない理由

ここまでスーパーなどで手軽に購入できる未精製米をご紹介してきましたが、感の鋭い方は「どうして玄米を紹介しないの?」と疑問に思われたと思います。
実は、玄米は冒頭に述べたように豊富な栄養が含まれている一方、デメリットが目立つ健康食品の一つです。

玄米には強力な解毒作用などがあるため、ガンを患っている方などが主食とされていることが多いですが、一般の方が食べるにはどうして危険なのかご説明していきたいと思います。

アブジシン酸の毒性

玄米などの種に含まれるアブジシン酸は、乾燥から身を守るため、そして小動物に食べられないために身を守る特性があります。

人間の体を作る細胞の中にはミトコンドリアというものがあり、食べ物をエネルギーにかえる働きがあります。
しかし、アブジシン酸はこのミトコンドリアを傷つける働きがあるため、身体のことを思って食べてもエネルギーにならず、疲れやすく精神的に落ち込みやすくなります。

消化が悪い

玄米の表面はセルロースと呼ばれる固い殻で覆われています。
よく噛むことである程度殻を破ることができますが、あまり食べないで玄米を食べることで胃の中で消化されず、消化不良を引き起こす可能性があります。
また、玄米に含まれる豊富な栄養素は、このセルロースに覆われているため、しっかり噛まずに食べては意味がなく、かえって体調を悪くしてしまいます。

栄養素が排出される作用がある

玄米には強力な解毒作用であるフィチン酸が含まれています。
このフィチン酸には、私たちの体に不可欠なカルシウムや鉄・亜鉛といったミネラルを排出してしまう作用があります。

フィチン酸は体内の毒素を排出してくれるメリットがあるので、ガン患者の方などが玄米を主食とされていることが多いですが、そうでない方には体から大切な栄養素を奪うことになってしまいます。

農薬やゴミなどが付着している

白米は精米されることで表面に付着した農薬やねずみの糞などのゴミを取り除くことができますが、玄米は精米されていないためゴミが付着したままということになります。
炊飯前によく洗うことである程度取り除くことができますが、農薬や生き物の糞など気になるゴミが多く付着しているリスクを考えると、家庭で洗うだけでは不安が残ります

まとめ

栄養不足が気になる方や、健康的な食事をしたい方は、主食を栄養価の高い物に変えることで効率的に栄養を摂取することができます。
精米前のお米には豊富な栄養素が含まれているため、五穀米やもち麦・胚芽米などを白米と混ぜて炊くことで、手軽に栄養価を上げることができます。
しかし、玄米は消化に悪く有害物質の問題も気になりますので、特別摂取したい事情がなければ避けたほうが無難です。

毎日の食卓の栄養価を上げるためにも、未精製米を主食に取り入れてみてはいかがでしょうか。