皆さん、老後の資金について真剣に考えられていますか？
「老後の資金は夫婦で3,000万円必要」とよく耳にしますが、どうして3,000万円という数字になるのでしょうか。
また、本当に3,000万円必要なのでしょうか。
今回は、老後に必要な3,000万円という金額の根拠と、本当に必要なお金の話をしていきたいと思います。

スポンサーリンク


老後の資金に3,000万円必要はどうして？根拠は？

誰しもが退職後の老後の資金について不安を感じています。
老後の資金にあてるために、働ける内に少しでも多くのお金を貯金している人も多いのではないでしょうか。

「老後の資金は3,000万円あると安心」と言われていますが、どうして3,000万円なのでしょうか。
そもそも、本当に3,000万円で足りるのでしょうか。

老後の資金3,000万円の根拠

住んでいる地域や、賃貸か持家かなどの生活環境で大きく変わってきますが、老後に夫婦が最低限の生活をおくるには、月27万円必要と言われています。
習い事をしたり、時々旅行に行くなどのゆとりある生活をおくるには、月に36万円の生活費が必要になってきます。

65歳で定年退職し、90歳まで生きることを考えたら、夫婦で最低限の生活をおくるには25年間で8,100万円、ゆとりある生活をする場合は1億800万円が必要になる計算になります。

満65歳から受け取ることができる年金が月額夫婦で20万円だった場合、90歳までの受給総額は6,000万円となるため、最低限の生活をおくるには2,100万円足りない計算になります。
また、ゆとりある生活をおくることを考えると、3,450万円足りないため、別途貯金しておく必要があるわけです。
これが、老後の資金として3,000万円あると安心と言われる根拠となります。

本当に3,000万円で足りるの？

昔は働き手１１人で１人の年金を支える構図になっていましたが、少子高齢化の現代では３人で１人の年金を支えているため、働き手一人の負担が大きくなりました。
働き手が支払える金額にも限界がありますから、このままいくと年金制度の変更や破綻のリスクが考えられます。

また、老後のもう一つの心配と言えば、介護が必要になった場合などで老人ホームに入る費用ではないでしょうか。
施設によって異なりますが、入居一時金として約2,000万円前後のお金がかかる以外に、一時金の償却後には月々の施設利用料がかかってきます。

こうした年金のリスクや施設への入居などを想定して考えておくなら、3,000万円の貯金では足りないのが現実です。

老後の資金にはいくらあれば安心なのか

「老後の資金として3,000万円あれば安心」という考えは、ご説明してきた年金のリスクや施設への入居などを考えると足りないということになります。
では、いったいいくら老後の資金として用意しておけば安心して暮らせるのでしょうか。

老後の資金300万円でも破綻しなかった人の話

ある会社の社長は、定年退職時には１３０万円程度しか貯金が無かったと言います。
それは、子供を２人中学から私立に通わせ、二人とも１年間海外留学していたため、必要以上に教育費がかかったことが原因していると言います。

また、前社長である父親の借金の保証人になっていたため、借金の一部を肩代わりしたのも影響しています。
会社の従業員持株会などの積み立てで自社株が少しありましたが、退職時には株価が大きく下がっていたため、併せて140～150万円程度にしかならなかったと言います。

自身の貯金と併せて300万円程度の資産ということになりますが、後述する入ってくお金と出て行くお金を把握して済むケースもあります。

老後の資金は人によって異なる

退職時に預貯金がほぼゼロだと「老後が心配だ」と言うのはわかりますが、１億円の資産があっても「老後が心配だ」という人も多くいます。
いったい老後の資金としていくら用意しておけば安心なのでしょうか。

実は、「これだけあれば安心」とか「これだけしかないのはダメ」というのはアテになりません。
それもそのはず、人によって住んでいる地域などの住環境や、持病の有無などで生活スタイルは様々だからです。
人によって支出が異なるため、「老後の資金はいくらあれば安心！」と言いきれません。

支出を把握しておくと安心

老後の資金を考える前に大切なのは、入ってくるお金と出て行くお金を把握することです。
「老後が不安」と感じるのは、これらの収支を把握していないのが原因です。
マイホームの支払いなどで出て行くお金の把握と、公的年金や会社の退職金・企業年金などの入ってくるお金を把握することで、「老後は○○円あれば安心！」といったメディアの文言に踊らされなくなります。
まずは、家計簿を付けて月々の生活費を把握し、「入」のお金と「出」のお金を把握するようにしましょう。

まとめ

老後はありとあらゆるリスクに備える必要があるため、「いったいいくら老後の資金を貯めておけば安心なのだろう」と不安を抱いている人も多いことでしょう。
しかし、人によってライフスタイルが異なるため、「これだけあれば安心！」とは誰も言いきれないのです。

退職時の預貯金に加えて、退職金や公的年金などの入ってくるお金と、マイホームの支払いなどの出て行くお金を把握することで、月々いくら生活費としてかかるのかが分かるため、老後の不安が軽くなります。
まずは、老後の資金の不安を解消するために、収支の計算をしてみましょう！